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FIBAワールドカップ2023 アジア地区 2次予選(Window6)[第1戦]日本96-61イラン:新戦力の活躍で強豪イランを相手に4年ぶりの勝利

2023年2月23日

 「FIBA ワールドカップ 2023 アジア予選(Window6)」が高崎アリーナで開幕。FIBAワールドカップ出場にがけっぷちのイランと対戦。大黒柱のハダディ選手を欠くイランに対し、3ポイントシュートは37本中17本成功、2ポイントシュートも37本放って20本成功させ、トム・ホーバスヘッドコーチが理想とバランスの良いバスケスタイルを見せた日本が96-61で勝利。格上イランを相手に、前回FIBAワールドカップ2019 アジア予選での同じくWindow6で勝って以来、FIBA主催大会でイランを倒しました。

 「出だしからアグレッシブなディフェンスから速いペースができました」とホーバスヘッドコーチが言うように先発の富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)をはじめ、交代で入った河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)やテーブス海選手(滋賀レイクス)らポイントガード陣がディフェンスで前から当たり、イランのリズムを狂わせます。この一戦へ向けた合宿中、「イランのスイッチングディフェンスに対して準備してきましたが、それがうまくいきました。今まではそこで足が止まってしまいましたが、今日は止まらなかったです」とホーバスヘッドコーチの評価します。そのひとつの要因として、男子日本代表デビューを果たした27歳、ジョシュ・ホーキンソン選手(信州ブレイブウォリアーズ)の活躍が光りました。ホーバスヘッドコーチも以下のように称えています。

「ジョシュはインサイドもアウトサイドもパスも上手にできる選手です。ジョシュに対し、相手がダブルチームで守ってきましたが、そこをうまく攻めたことで相手のディフェンスのポジショニングが悪くなりました。そこからチームとして良いカッティングをし、3ポイントシュートも良く入りましたし、ターンオーバーも5本と精度高く試合を進めることができました」

 大きなイランを相手に、リバウンドを48-33と圧倒できたのも特筆すべき点です。ホーキンソン選手は11リバウンド、17点のWダブルをマーク。ケガから復帰したばかりの渡邉飛勇選手(琉球ゴールデンキングス)も8本のリバウンドを拾って、勝利に貢献。12人全員でつかんだ勝利であり、若いチームにとっては自信につながる大きな1勝となりました。

 チームハイの20点を挙げたのは、同じく日本代表デビューを飾った19歳、金近廉選手(東海大学2年)です。ディベロップメントキャンプから昇格し、ホーバスヘッドコーチからも「どんどん打っていけ」と送り出されたシューター。今日の活躍については、「はじめての試合ということもあり、イランも僕の特徴も分かっていないので、少しマークも甘い部分があったと思います。ガード陣がうまくディフェンスを引きつけてパスをしてくれたことで、フリーで打てていました。それを決めることだけを信じてプレーしていました」と振り返ります。

 第1クォーター5分を過ぎ、東海大学の1つ上の先輩である河村選手とともにコートに入った金近選手。「勇輝さんは一番自分のことを分かってくれていると思っています。シュートを落とした後には、もっと打っていいよと試合中にも声をかけてくれました」と言い、元チームメイトとの声がけが金近選手の思いきったプレーを引き出します。オフェンスだけではなく、ディフェンスでも良い働きが見られました。東海大学でもオフェンスではアウトサイドでプレーする金近選手ですが、「昨年のインカレ(全日本大学選手権)では5番ポジションだったので、大学の留学生もレベルが高い選手が多い中でマッチアップしてきました。その経験もあり、今日の試合もあまり気にすることなく積極的にコンタクトできました」と話すとおり、遜色ないディフェンスを見せています。

 日本代表としてホーバスヘッドコーチの下で学び、そして国際試合を通じて選手たちは成長できる機会となっています。ホーキンソン選手の所属する信州のショットチャートを見れば、男子日本代表と同じく3ポイントシュートとペイントエリアからのシュートがベースとなっています。「ホーバスヘッドコーチも、信州の勝久マイケルヘッドコーチも3ポイントシュートを打ったり、速い展開で攻めたり、すごく似ている部分があります。日本代表での新しい発見もありますが、逆にマイケルヘッドコーチが僕に教えてくれたことを日本代表に生かせる部分も多くあります。新しく得たことを自分の中に落とし込むことで、信州でも日本代表でもどちらにも生かせると考えています」とホーキンソン選手は言います。金近選手のディフェンスも同じであり、それぞれが所属チームで徹底しているプレーを還元してくれることで、日本代表のレベルアップにつながり、勝利することができました。

 2月26日(日)にはバーレーンを迎え、FIBAワールドカップ アジア予選の最終試合が同じく高崎アリーナで行われます。本日行われたオーストラリア戦は、51-83で敗れたバーレーン。日本代表も、今回はロスター入りできなかったマシュー・アキノ選手(信州ブレイブウォリアーズ)や細川一輝選手(三遠ネオフェニックス)、川真田紘也選手(滋賀レイクス)もウズウズしており、チャンスが巡ってくればきっと自信を持って活躍してくれると期待しています。

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